その昔、オウム真理教にハマる人に「それカルトだよ」と言えば、「そんなわけはない。お前がそう見えるのは勉強不足だからだ」と言われました。
その昔、マルチ商法にハマる人に「それカルトだよ」と言えば、「君はこのビジネスの良さを知らないからだ」と言われました。
突然なんだよと言いたくなられたかもしれません。
ただ、「カルト」にハマると「自分がカルトだとは絶対認めない」ということがお伝えしたいのです。
そして、いかに過去の物との類似の例をあげても「これまでのものとは違うんだあ」「これは中長期で花開くんだ」というのです。
さて、本題と何の関係があるのかというところですが、自己啓発本という空洞にありがたがって多くの人が寄りかかるのはカルトの変種だということを本日はお伝えさせていただければと思うのです。
というのも自己啓発本やそれに準ずるセミナーというのは過去の宗教や商法と極めて同じビジネスモデルだからです。
自己啓発本は意味がないが故に恐ろしい
例えば、多くの宗教ビジネスでは「これに従えば救われる」「これを買えば救われる」と言う話になります。
しかしながら現実では一向に救われないというのが実態で、9割以上の人は搾取されるだけというだけです。
そして信じたのにそのことの意味がないと批判しよう物なら、あなたが救われないのは原因として「信仰心が足りないから」「お布施が足りないから」というロジックが持ち出されます。
これはまさに自己啓発本を書いている人が言っていることと同じです。
決して「その信仰対象自体に疑義を持つこと」「そのプロダクト自体に疑義を持つこと」は許されない、そして認識や心の持ちようだけで現状が乗り切れるという世界把握、、、このような軽薄さに満ちているのが自己啓発本なのです。
意味がないどころか害でしかないと言っていいでしょう。
もちろん一口に自己啓発と言ってもいろいろな種類があり、人によってハマるものにも誤差はあります。
しかしこれはある宗教にいくつかの分派があるのと変わりません。
あくまで本質は変わらないわけで、信じれば救われると言われ、救われないわけですが、全部自分のせいにされる物なのです。
自己啓発本の中身がない状態は加速している
またこれに関連して、最近新しい傾向もあります。
それは、少し前よりも中身が意図的にスカスカにされているというものです。
しかもその中身がないという具合が深刻なほど本としては売れるみたいな逆転現象も起きているのです。
通常コンテンツが充実していた方がいいはずなのですがもはや逆相関があるのです。
すごいものにもなれば、片方のページに5行くらいしかなくて、もう片方のページには一言ポエムみたいなのがあるだけだったりするのです。
また、文字数が多少多いものについても目次だけ読めば内容がわかるものばかりだったりするわけで、朝早く起きなきゃとかスーツはいいものでとかそういうやつですね。
自己啓発本が嫌いになって初めて本当に啓発はできる
さて、自己啓発本への批判を通して何が言いたいかというところに話を移します。
これは端的に言えば、自己啓発本の立て付け自体がそれを読む人たちを「努力が嫌い」で「楽して大金が欲しい」という成功とはかけ離れた人をターゲットにしておりハマってる人は舐められているということです。
だからこういった本が刺さる人はそもそも成功する要素を持ち合わせていない可能性がむしろ高いとすら言っていいでしょう。
そういう意味では、自己啓発本が嫌いになってこそあなたの文脈でいう「成功」は近づくとさえ私は思います。
これは私もよく聞きますが、自己啓発本作家は自己啓発本は読まないという人が少なくありません。
これがどういう意味かはいうまでもありません。
まずは自己啓発本を読むことから卒業することで自己啓発を始めてみるということを考えてみてください。
かくいう私が昔ハマっていたことがありその時は軽薄なことを色々と考えていたこともありこれは自戒も込めて話しています。
無駄な自己啓発本タイトルリスト
最後に無駄な自己啓発本のキーワードリストを記載します。
- 「シリコンバレー」
- 「スタンフォード」
- 「ハーバード」
- 「マッキンゼー」
- 「グーグル」
- 「1ヶ月で成功」
- 「一流の男」
- 「即行動」
- 「成功者」
- 「自分の思い通りに動いてもらうための心理学」
- 「絶対儲かる」
- 「やりたいことをすぐやろう」
- 「一瞬で自分を変える方法」
- 「稼げる人の特徴」
- 「来月から月収1000万円にする方法」など
です。
もちろんここにある表現に直接一致だけではなく、文脈として含むものは全てとなります。
書店の自己啓発本コーナーにある本が大概これに該当するということがわかるでしょう。
出版社からこういうのタイトルに入れときゃ売れるという形で舐められているのです。
これは自己啓発本が好きな人には受け入れがたいと思いますが、本当に本当に自己啓発本を嫌いになって初めて自己啓発されると思います。
終わりに
本日は自己啓発書およびそれを読む人がどれほど気持ち悪いかを解説してきました。
もちろん「これを読んで俺は成功した」という人も出てくるかもしれません。
その時はその批判を甘んじて受け止めようと思います。是非批判してください。
ただ一つ言いたいのは成功する人は「マインド」だけで成功してないということに当たり前に気づいて欲しいのです。
コネがあったり、優れた友人がいたり、親が金持ちだったり、人より身体能力が高かったりという外部要因がまず大きくそれに加えて、具体的な実務経験や資格を持っていたり地道な努力を積み重ねていることがほとんどです。
「マッキンゼーのマインドセット」なるものがあるとして、マッキンゼーでもない人間はそもそもマッキンゼーに入るくらいの能力や地力がないと同じ水準からものを見ることはできません。
そう考えれば、舐められているのだと早く気付くべきで、早急に自己啓発本は処分していただくことをお勧めします。
余談ですが、この手の本は短いかつ字がでかいのでものによれば20〜30分もあれば、すぐに読めてしまうので、だからと言ってはなんですが「たくさん読めてしまい」勉強している感覚になってしまいます。
しかしながら、そのような本を読んでも成功には近づかないのです。
ビルゲイツが自己啓発書を読んでるという話を聞いたことがあるだろうか?
イチローが自己啓発書を読んでいるという話を聞いたことがあるだろうか?
そう問いかけてみて欲しいのです。